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民事事件 - 賃貸トラブルに関するQ & A

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「何度も払えと言っているのに、ちっとも家賃を払ってくれない!」
「水道の蛇口が壊れたのに、大家さんが全然直してくれない…」

お家を貸している人や借りている人にとって、こういった悩みはつきものだと思います。実際、こういった「賃貸借」関係のご相談に来られるお客さんは、とても多いのです。
このページでは、建物の貸主さんと借主さんの間でよくあるトラブルと解決策を、Q&A方式で簡単に紹介してみました。とはいえ、これらはほんの一例ですし、解決策も様々です。不安に感じる方は、遠慮なく当事務所までご相談にお越しください。

「大家さんの悩み」編

Q1:家賃を払ってくれない人がいて困っています。どうやって家賃を請求すればいいですか。
また、出て行ってもらうことはできますか。

1. まずは手紙で、滞納している家賃を支払うよう、催促してみましょう。
この手紙は、「内容証明郵便」で出すのがお勧めです。というのも、「内容証明郵便」を使えば、どんな中身の手紙を送ったのか、その手紙がいつ相手に届いたのか、を証明してもらえるのです。相手に家賃を請求したことが証拠に残るので、後に裁判になったときに便利です。
もし借主に保証人をつけてあるなら、保証人に対しても、同じようにして家賃の支払を求めることができます。


2. 催促しても払ってくれないときは、裁判所に民事調停を申し立てたり、民事裁判を起こしたりすることを考えましょう。
民事調停のメリットは、裁判所が間に立って、貸主と借主が条件を出し合ったり譲り合ったりしながら、円満に解決できるところです。その代わり、貸主と借主の間で折り合いがつかなければ、解決には至りません。
民事裁判のメリットは、争いが大きなケースでも、最終的には裁判所が判決を下してくれるところです。裁判となれば、借主の心理面に働きかける部分も大きいでしょう。裁判手続の中で和解ができ、判決が出る前に解決してしまうことも少なくありません。
調停が成立したのに、あるいは借主が裁判で負けたのに、支払ってくれないときは、借主の財産を差し押さえて強制的に支払わせるよう裁判所に申し立てることができます。


3. 家賃の滞納が数か月続いたりして「貸主と借主の信頼関係が壊れている」と認められるケースでは、家賃の支払だけでなく、借主との賃貸借契約を解除して建物から出て行ってもらうよう求めることもできます。

Q2:借主が、無断でペットを飼ったり、騒音を出したりして困っています。出て行ってもらうことはできますか。

「貸主と借主の信頼関係が壊れている」と認められるケースでは、借主との賃貸借契約を解除して、建物から出て行ってもらうよう求めることができます。
信頼関係が壊れていると認められるかどうかは、ケースバイケースです。もっとも、無断でペットを飼ったり、騒音を出して隣人に迷惑をかけ続けたり、居住用として貸した建物を出入りの激しいお店として使ったり、その他にも貸主と約束した取り決めを破ったり、といったことがあれば、認められる可能性が高くなります。

Q3:借主が、荷物を置いたまま行方不明になってしまいました。部屋に入って荷物を処分しても構わないでしょうか。

勝手に部屋に入ったり、荷物を処分したりしてはいけません。勝手にこういったことをすると、貸主の方が刑罰を受けたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。きちんと裁判手続を経なければならないのです。
こういった場合、長い間家賃が滞納されているでしょうから、まずはそれを理由に賃貸借契約を解除します。次に、民事裁判で家賃の支払や部屋の明渡しを求め、勝訴判決を得るわけです。勝訴判決があれば、裁判所の執行官に、強制的に部屋に立ち入って荷物を処分してもらうことができます。

「借主さんの悩み」編

Q1:水道の蛇口が老朽化して壊れてしまいました。大家さんに直して欲しいと頼むと、断られました。私が直さなければならないのでしょうか。

借主が借りた建物を普通に使っているうちに備品が壊れてしまったとき、借主が修理する必要はなく、貸主に修理を求めることができます。これは、貸主には、貸した建物を借主が普通に使えるようにする義務があるためです。
貸主が修理してくれないため、借主の方で業者に修理を頼んだ場合には、かかった費用を支払うよう貸主に求めることができます。貸主がその費用の支払すら拒むときには、家賃の支払時に、家賃から修理にかかった費用を差し引いて、残額だけ支払うなどの手段が考えられるでしょう。

Q2:ずいぶん長い間この家を借りています。最近、似たような物件と比べて家賃が高すぎると感じるようになりました。家賃を下げてもらうことはできるのでしょうか。

まずは、貸主と交渉して下げてもらうのが一手でしょう。ただし、当然に似たような物件と同じ家賃にできるわけではありません。
交渉がうまくいかなくても、不景気になったり、建物の価値が下がったり、似たような物件と比べて余りにも家賃が高かったりする場合には、家賃を下げるよう裁判所に申し立てることができます。この場合、まずは調停を申し立て、調停が成立しなければ裁判を起こせる、という制度になっています。
裁判を起こしたときに注意して欲しいのは、家賃を下げるという判決が確定するまでは、値下げ前の家賃を支払う義務があることです。その判決が確定してから、過払分を返してもらうという流れになります。

Q3:敷金がほとんど戻ってこなかったのですが、そういうものなのでしょうか。

借主が部屋を明け渡すときに、家賃の滞納分があったり、部屋を汚損してしまっていて借りたときの状態に戻す費用を貸主が出したりすると、それらのお金が敷金から差し引かれることになります。
よく問題になるのは、借りたときの状態に戻すのにかかる費用です。確かに、借主には、自分の落ち度で部屋を汚したり傷つけたりしたとき、自分の費用で元に戻す義務があります。けれども、建物や備品が、ごく普通に部屋を使用する中で古くなったり壊れたりしても、新品に戻す義務まではありません。そういった部分の修理費用まで敷金から差し引かれている場合には、貸主に返金を求めることができます。


いかがだったでしょうか。ここに紹介したトラブルや解決策は、ほんの一例です。実際に相談を受けてみますと、一見簡単そうに見えて実は難しい問題が隠れているケースや、ここで紹介したような通常の解決策が取れないケースもあります。もし、このページを見ても不安が残る方がいらっしゃったら、一度、当事務所にご相談にお越しください。きっと解決の糸口が見つかるはずです。



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