静岡合同法律事務所50周年のご挨拶
民衆とともに〜静岡合同法律事務所の50年
静岡合同法律事務所は今年で創立50周年を迎えました。
1973年に故佐藤久弁護士の事務所に大橋昭夫弁護士が加わったのが静岡合同法律事務所の出発でした。故佐藤久弁護士は東京合同法律事務所で数年働いた後、故郷である静岡の地に戻って弁護士をしていました。
その後、白井孝一(代々木総合法律事務所から)、本杉隆利、藤森克美、清水光康、伊藤博史の各弁護士が入所し、当時、全国で裁判が闘われていたスモン訴訟の静岡弁護団の中心となっていきました。
当時から静岡市の繁華街のはずれの両替町に事務所を置いています。
これまで当事務所に在籍したことのある弁護士は、上記以外には次の通りです。
杉山繁二郎、阿部浩基、諏訪部史人、家本誠、宮崎孝子、西ヶ谷知成、佐野雅則、宇佐美達也、栗田勇、加茂大樹、末永智子、青柳恵仁、梅田英樹、平下愛、守屋典、横田有里、杉山雄峰です。
1985年に当時6名いた弁護士のうち3名が研屋町に静岡法律事務所をつくりました。同事務所は現在は馬場町に移転しております。1993年に阿部浩基が事務所に復帰し、諏訪部史人が新たに入所し、ほどなく家本誠が加わり、現在の事務所の原型ができました。なお、大橋昭夫弁護士は鷹匠共同法律事務所を、宇佐美達也弁護士はせいうん法律事務所を、西ヶ谷知成弁護士は静岡第一法律事務所を主宰しております。
当事務所は、創立以来一貫して社会的弱者、庶民の立場に立ち、時に権力や大資本と対峙しながら、活動を続けてきました。
薬害スモン、未熟児網膜症、薬害C型肝炎などの訴訟の弁護団事務局をやってきました。
古くは製紙企業の排出したヘドロの除去費用を静岡県が負担したことに異議を唱えた田子の浦ヘドロ住民訴訟等の公害事件、七夕豪雨で賤機山の斜面がリフトともに崩落し死傷者を出した賤機山リフト事件損害賠償請求訴訟、古市酒税法事件、静鉄踏切事故事件、大赤字必至の静岡空港の建設を阻止する静岡空港設置許可取消訴訟、同住民訴訟、第五福竜丸の元船員の船員保険再適用申請事件、産廃に含まれるダイオキシンで清流藁科川が汚染されるのを阻止するための公害調停事件、沼津鉄道高架事業認可無効確認訴訟、最近では世界一危険な浜岡原子力発電所の運転差し止めを求める浜岡原発永久停止訴訟、伊豆高原に敷地面積100ヘクタールのメガソーラー建設計画に対する建設工事差止訴訟、宅地造成等規制法の工事許可取消訴訟、南アルプスの自然と大井川の水を守るためのリニア中央新幹線建設工事差止請求訴訟など、社会の注目を集める公害、環境事件に取り組んできています。
また、数多くの労働事件に積極的に関わってきました。造船合理化の中、津造船所への配転命令を拒否したため懲戒解雇された日本鋼管清水事件(最高裁で和解)、国鉄分割民営化と闘った国労の労働委員会闘争(採用拒否、配属差別等)、労働者が死ぬと会社が1000万円単位の保険金をふところにすることの問題を世に提起した文化シャッター団体定期保険金事件、会社分割による首切りと闘った静岡フジカラー事件(中労委で和解)や東芝EMI事件、共産党員に対する露骨な賃金差別の是正を求めたスズキ賃金差別事件(一審勝訴、二審敗訴確定)、高校教諭の懲戒免職処分取消請求事件(人事委員会で勝利)をはじめ、不当労働行為事件(安倍川製紙、テルモ、藤枝平安閣、藤枝中央自動車学校、ネッスル、三菱電機、御殿場自動車、富士急行、浜松市清掃公社、島田理化、伊豆箱根鉄道など)、解雇事件、過労死(三菱鈴木過労死、高教組大野労災など)、過労自殺事件(スズキ小松過労自殺など)、パワハラ、セクハラなど数多くの労働事件を手がけてきました。県内で最初のセクハラ訴訟(藤枝市幹部職員が相手)は当事務所で担当しました。
国家による明白な人権侵害でありながら救済が放置されてきたハンセン病事件(勝訴判決後に政治決着)と同様の構造をもつ旧優生保護法事件(2023年静岡地裁勝訴判決)、生活保護費減額処分取消訴訟でも弁護団の中心を担っております。
生活弱者を地獄に追い込んだクレサラ事件やヤミ金被害から法律を駆使して救済する事にも日常的に取り組んできました。若者をターゲットにクレジットを利用して偽版画を大量に売りまくったピクチャーインターナショナル事件もありました。
また他の事務所では敬遠しがちな医療事故訴訟や住民訴訟も数多く引き受け成果を上げてきました。最近の住民訴訟として、静岡市のずさんな公園改変計画に住民が異議を唱えている城北公園住民訴訟があります。
静岡市との合併を推進する蒲原町長のリコール票無効判定事件(逆転でリコール成立)では合併反対住民の相談に乗り蒲原町に足を運びました。
死刑再審の島田事件(再審無罪)、袴田事件(2023年再審開始決定確定)にも弁護団の一員として参加しております。2009年から始まった裁判員裁判を数多く担当している弁護士もおります。無罪を勝ち取った事件も有ります。
このような事件以外にも貸金、借地借家、交通事故、労災事故などの一般民事、離婚、相続、後見等の家事事件などに誠実に取り組んでおります。
以上のような業務とは別に憲法を守り人権擁護のための諸活動に各弁護士が取り組んでいます。例えば、安保法制の時には、街頭に出てマイクを握り、ビラを配布し、行進に参加しました。招かれて講師活動もしました。熱海の土石流災害が発生したときには現地の法律相談に出向きました。メーデーにも毎年参加し、交流を深めております。
これから先も形を変えながら様々な事件が生起してくると思われますが、静岡合同法律事務所は、いつまでも、地域の皆さんとともに歩み、弱い人の最後の砦で有りたいと思っています。今後ともよろしくお願い致します。
2023年4月吉日
地域で頼りにされる事務所に ─ 藤枝やいづ合同法律事務所
弁護士法人GoDoの前身である静岡合同法律事務所は今年で創立50周年を迎えました。藤枝やいづ合同法律事務所は、2020年5月12日に設立し、その後、前記法人の支部として焼津市、藤枝市、島田市、富士市、掛川市、吉田町などを中心に地域の皆様からご依頼をいただいています。当事務所の母体である静岡合同法律事務所は、「地域の皆さんとともに歩み、闘う事務所として、弱い人の最後の砦でありたい」との思いで長年活動をしてきました。藤枝やいづ合同法律事務所もその思いを共に抱き、活動をしていきたいと考えています。
静岡合同法律事務所、藤枝やいづ合同法律事務所の弁護士は、世間で耳目を集める事件に携わることも多くありました。しかし社会的に注目を浴びることのない事件にも目を向け、その解決のために頼りにされる事務所でありたいと考えています。
静岡合同法律事務所と藤枝やいづ合同法律事務所は一つの弁護士法人となり、年々高まる人権擁護の要請への対応及び地域密着型の法的サービスの提供を、より広域にわたり引き続き行いたいと考えています。
地域に支えられ、そして地域に頼りにされる法律事務所を目指し、活動をしていくとともに、ご相談やご依頼をしていただいた方から私たち事務所に相談、依頼をして良かったと思われるようこれからも努力をしていきたいと思います。
2023年4月吉日
写真で振り返る
※写真は今後追加していきます。