お悩み解決事例:加害者の保険会社から提示されていた約750万円の賠償金額が1750万円で和解ができた

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概要

概要交通事故後、加害者の保険会社から提示されていた約750万円の賠償金額が、最終的には約1750万円で和解ができたケース(交通事故事案)。また後遺症等級が併合9級から併合7級という重い等級に変更されたケース。また併合7級を認定されたことにより、労災年金が支給され、2カ月毎に約14万7000円程度の労災保険の支給が認められたケース。
ご依頼者静岡県にお住いの60代の男性
担当家本誠 弁護士
特徴御依頼者が、交通事故により複数の障害を負いました。当初、損害保険料率算出機構の事前認定では、後遺症のレベルは、併合9級というものでした。後遺症の併合とは、例えば13級以上の等級に該当する後遺障がいが2つ以上ある場合には、重い方の等級を1級繰り上げることになります。御依頼者は、足関節、股関節、胸腹部臓器の機能障害などの複数の箇所に後遺症が認められたため、併合9級という後遺症として当初、認定されました。単独では、足関節の後遺症が一番重く、10級として認定をされましたので、前述した併合の場合、この10号の等級が1級繰り上がるため、併合9級ということになります。しかし後述するように各種手続きをその後とることにより、最終的には後遺症の程度を冒頭で述べたように、併合7級として認定してもらうことができ、さらには労災年金の支給も受けることができるようになりました。

解決までの流れ

1. 事案の概要

御依頼者は、交通事故により右足の関節(10級11号の等級)、左股関節(12級7号の等級)、胸腹部臓器の機能障がい(13級11号の等級)などの複数の後遺症を負いました。その後遺症の等級は、前述した併合9級として当初、損害保険料率算出機構の事前認定では、認定されました。

御依頼者は、加害者側の保険会社から提示をされた約750万円という賠償金額の提示が、賠償額として適正であるのかというのが主な相談内容でした。

しかし後遺症の具体的な内容を伺ったところ、前記後遺症の認定では、御依頼者の障がいについて、判断漏れがあることが分かりました。どこの障がいが判断から漏れていたのかというと、右足の足趾(足の指)に機能障害があるにも関わらず、この障がいが前記事前認定においては、全く考慮をされていませんでした。

そのため、この足趾(足の指)に機能障害を適正に評価してもらえれば、後遺症の等級が変わるのではないかと考えました。そこで本件は、仕事中の事故であったため、労災手続きを行い、この手続きの中で、後遺症の判断をしてもらうこととしました。

2. ご依頼

前記労災の手続きは、御依頼者自身から会社に伝えて、手続きをとってもらいました。

労災については、結論として7級が認められました。そのため当初、損害保険料率算出機構の事前認定で併合9級としてしか認定されなかった後遺症等級を併合7級を前提として、賠償金額の交渉をするために、私が事件の依頼を正式に受けました。

3. 情報開示請求の手続きについて

労災の手続きで、7級の判断をしてもらったことは、「年金・一時金支給決定通知」という一枚の通知がご本人(御依頼者)に送付されてきますので、それで後遺症の程度を知ることはできます。しかしどのような医学上の判断によって、前記7級の後遺症を認定されたのか詳しく知るためには、労災の資料を個人情報に基づき開示請求する手続きを行うことになります。この開示請求をすることにより、前記労災の処分決定がなされた判断の根拠資料(実地調査復命書、復命書添付書類と言います)を取得することができます。この根拠資料を確認することにより、御依頼者の後遺症の内容及び程度を医学的な資料に基づき詳しく知ることができます。

前記資料を確認したところ、損害保険料率算出機構の事前認定で漏れていた右足の足趾(足の指)に機能障害がはっきりと分かりました。前記実地調査復命書では、右足趾の機能障害について、「患側の右足趾全足趾中足指節関節および指節間関節は完全強直又はこれに近い状態である。」と指摘されていました。このことから事前認定で認められている後遺症以外に前述した右足趾の機能障害が存在するにも関わらず、これを事前認定では一切評価していなかったことが明らかになりました。

本件では、右足の足趾(足の指)に機能障害があることが、後遺症の等級を変えることになります。どのように後遺症の等級に影響があるのか、少し説明をします。

右足趾の機能障害(患側の右足趾全足趾中足指節関節および指節間関節は完全強直又はこれに近い状態)は、9級11号という後遺症の等級に該当します。また既に述べた右足の関節の機能障害は、10級11号になります。みなし系列(同一系列、同じ右足にある障がいということになります)にある後遺症の場合は、重い方の9級の後遺症を1級上げて8級相当の後遺症として判断されることになります。その上で、系列を異にする後遺症(本件では、12級7号の左股関節障がい、13級11号の胸腹部臓器の機能障が)がありますので、更に前記8級の後遺症を1級上げて、最終的には7級の後遺症として認定されるのが相当であるということになります。

そこで後述する事前認定の結果に対する異議申立手続きを行うこととしました。

4. 事前認定の結果に対する異議申立手続きについて

労災の手続きで併合7級が認められましたが、前の部分で述べたように、損害保険料率算出機構の事前認定では、併合9級として認定されたままですので、この事前認定の併合9級という認定についても、その判断を変更しておく必要があります。

労災から支給される補償などもありますが、実際にはその補償では、賠償額を全てカヴァーすることはできません。従ってこの不足する賠償額を加害者の保険会社から支払ってもらうためには、損害保険料率算出機構の事前認定での、併合9級という等級についても、労災保険で認められた併合7級と同様に、判断の変更をしてもらうための手続きを取る必要があります。そのための手続きが、前述した事前認定の結果に対する異議申立手続きということになります。但し既に労災手続きにおいて、併合7級として判断をされているため、実際にはこの異議申立手続きにおいても、前記労災の判断を尊重して、併合7級として判断してくれる可能性が極めて高いことは言うまでもありません。実際、異議申立手続きにおいて、労災保険審査請求における決定書を資料として添付したところ、損害保険料率算出機構においても、併合7級という事前認定を速やかにしてくれました。

5. 示談交渉による解決

事故から3年半以上の月日を経過して示談による解決ができました。このように解決まで時間がかかったのは、怪我の程度が重かったため、その治療に歳月を要したということ、また後遺症の等級を徹底的に争ったため、それにかかった時間が長期化したことなどがその理由として挙げられます。しかし最終的には、併合7級という後遺症の等級を認めさせることができ、また将来的にも労災年金の支給を受けることができるという保障も得ることができたので、御依頼者からは、感謝されました。

併合7級という損害保険料率算出機構での認定変更が出た後、加害者の保険会社と賠償額について、交渉を進めていきました。その中で最終的には、1750万円で示談が成立しました。

6. 担当弁護士からのコメント

後遺症については、損害保険料率算出機構における事前認定を安易に信じることは、誤った結果を引き起こす可能性があることを教えてくれた事件でした。前記事前認定においては、右足趾の後遺症について、医師による診断書にもその状態が記載されていましたが、その点が後遺症として全く評価されていないケースでした。資料が提出されていれば、損害保険料率算出機構における事前認定において、適正に評価されると信じてはならないこともあります。

大きな事故で特に体に複数の後遺症を負った場合、どのような後遺症を負っているのか、御依頼者から丁寧に事情を聞きとるとともに、病院のカルテなどの医療情報も丁寧に読み込むことが必要な場合があります。そしてこれらの点が、後遺症の事前認定で適性に評価されているのか、認められた内容で間違いがないのか、本当はもっと重い後遺症ではないのか、その点を常に疑い、疑問がある場合には、それを争っていくことが重要であると思います。

解決するまで時間がかかっても、後で大きな後悔をするよりは、疑問があった時には、今まで述べてきたような手続きで争うこともできることを知って欲しいと思います。

自分の後遺症は、本当にこの程度であるのか、そんな疑問があるときには、どのような手続きが考えられるのか、またそのためにはどのように手続きを進めれば良いのか、その方向性や重点になどについて、詳しくは当事務所弁護士にご相談下さい。


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