お悩み解決事例:医療過誤を理由に賠償請求をする前提として当該医療機関に死亡された方の原因調査を申し入れた

RESERVA予約システムから予約する

概要

概要医療事故について、当該医療機関に対して医療事故調査制度の適用を申し入れたケース(医療事故事案)。
ご依頼者死亡された御本人は50台の男性
担当家本誠 弁護士
特徴今回の件は、医療機関に対して、医療過誤を理由に賠償請求をする前提として、当該医療機関に対して、医療事故調査制度に基づき、死亡された方の原因調査を申し入れたケースになります。

解決までの流れ

1. 事案の概要

悪性腫瘍の手術をした結果、多臓器不全により死亡したケースについて、医療事故調査制度の適用事案であることを理由に、その調査をするように当該医療機関に申し入れをしたケース。

2. ご依頼

亡くなられた方の妻から、夫が手術により何故死亡したのか、医療機関からちゃんとした説明を受けていない、医療機関に責任があれば、その責任を追及したいということで、ご相談を受けました。

まずは妻に医療機関からカルテ等の開示を受け、その資料を収集してもらうことにしました。カルテ等の開示後、カルテの内容を検討し、前述したようにまずは、医療機関に対して、医療事故調査制度の調査を申し入れることでご依頼を受けました。

3. 内容証明での申し入れについて

3-1 医療事故調査制度について

前記医療事故調査制度は、医療機関の責任追及を目的とする制度ではなく、医療の安全を確保するために医療事故の再発防止を行うことが制度の目的とされています。しかし医療事故の再発防止の観点から、当該医療事故がどのような原因、機序(しくみ、メカニズム)から生じたものであるのか、その点が調査対象とされることから、結果として、医療事故に対する当該医療機関の医療行為に問題がなかったのか、それを理解する上で前記調査制度が一定の情報提供を行うことも事実であると思います。

3-2 医療事故調査制度で調査の対象となる医療事故

医療事故調査制度で調査の対象となる医療事故とは、全ての医療行為ではなく、「当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったものとして厚生労働省令で定めるもの」と極めて限定されています(詳しくは医療法第6条の10、医療法施行規則第1条の10の2に記載されています)。そのため医療行為により重篤な後遺症を負った場合であっても、死亡に至っていない場合は、この調査制度の対象にはなりません。

3-3 遺族等に対しての説明

医療事故調査制度で調査の対象となる医療事故であるか否かの判断は、当該医療機関の管理者が行うことと定められているため、遺族が「前記医療事故」であると考えたとしても、当該医療機関の管理者が「医療事故」ではないと判断した場合には、この医療事故調査制度に基づく調査を当該医療機関に義務付けるようなことができる仕組みにはなっていません。

しかし「医療法施行規則の一部を改正する省令の施行について伴う留意事項等について」の通知(平成28年6月24日医政総発 0624 第1号)においては、病院等の管理者は、「遺族等から法第6条の10第1項に規定される医療事故が発生したのではないかという申出があった場合であって、医療事故には該当しないと判断した場合には、遺族等に対してその理由をわかりやすく説明すること。」とされています。従って当該医療機関の管理者が、医療法6条の10に該当しない医療事故であると判断した場合であっても、当該死亡につき、何故調査の対象とならない医療事故であるのか、遺族等に対して、その理由を分かりやすく説明することが、当該医療機関には求められています。

4. 結果

以上の理由から、亡くなられた妻から医療機関に対して、内容証明で、医療事故調査制度の適用を申し入れましたが、結果としては、当該医療機関からは、前記医療法6条の10に該当しない医療事故であるとの回答がなされました。その回答内容については、決して満足のできる内容ではありませんでしたが、かかる内容証明の申し入れをすることにより、当該医療機関が、死亡した結果に対して、どのような原因に基づくものであるのか、また死亡結果について、予期されたものであったとの具体的な理由などについて、その点を書面で確認できるという意味はあったものと考えています。

5. 担当弁護士からのコメント

遺族にとっては、医療機関から予期されていた死亡結果であると説明をされても、到底納得ができるものではありません。多くの遺族は、事前にそんな説明は受けていない、危険性の高い手術であるなどとも医師からは全く聞いていなかったなどと不満を述べられることが多いと思います。そのため死亡した後、「当該死亡が当初から予期された結果」であると遺族は説明をされれば、医療機関は責任逃れをしているだけではないかと、ますます強い憤りを感じることになると思います。

前記医療事故調査制度については、そもそも医療機関の責任追及を前提とした制度ではないため、遺族の方の思いを十分にくみ取った制度設計にはなっていないとは思います。

しかし実際に調査が行われれば、死亡原因などについて明らかにする方向で調査をされる結果、遺族の方にとって、事実を明らかにするという契機にはなると思います。また実際に調査が行われなくても、前述したように、遺族の方から医療事故調査制度が適用されるべきではないかとの申し入れに対しては、当該医療機関に、その制度を適用しない理由を分かりやすく説明することを求めていますので、その理由を回答させる点においては、意味があると考えています。

医療機関に説明を求めても、納得ができるような説明をしてくれないなど、医療機関の対応に不満を持たれている方も多いと思います。それが医療機関のミスと言えるのか、またその点について医療機関に責任追及ができるのか、疑問に思われる方は、どのような手続きを進めれば良いのか、その方向性や重点になどについて、詳しくは当事務所弁護士にご相談下さい。



静岡合同法律事務所へのご相談・お問い合わせはこちら/初回相談は無料です。



静岡市葵区両替町1-4-5 河村第一ビル3F [ 地図 ]
TEL. 054-255-5785
© 静岡合同法律事務所