お悩み解決事例:娘と共有名義になっている不動産(建物)の売却をしたいが娘が協力してくれない

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概要

ご依頼者静岡県中部地域にお住いの50代の男性
担当家本誠 弁護士
特徴土地がご依頼者が単独で所有をしている一方、その土地上の建物については、親子(父と娘)とで、持分をそれぞれ共有をしていること。

解決までの流れ

1. 事案の概要

ご依頼者と娘(相手方)とが、共有名義になっている不動産(建物)の売却をしたいが、その売却について、娘が協力をしてくれない。そのためご依頼者の方が、単独で前記不動産の売却ができるように、共有関係の解消を裁判をして行ったケース。

2. ご依頼

依頼された方は、自宅の土地を単独で所有しているものの、建物については、御自身が5分の4、相手方である娘が5分の1という持分で共有をしていました。しかし親子の関係が悪化して、同居していた娘さんが自宅を出られ、アパートでの生活を送ることになりました。

依頼された方は、事情により前記不動産を売却したいと考えましたが、建物の共有名義である娘さんが手続に協力をしてくれませんので、不動産を売却することができないと困って相談に来ました。

そのため、相手方である娘さんとの交渉、調停、裁判等の手続きを依頼されました。

3. 裁判等の法的な手続きについて

通常共有物件を売却する場合、他の共有者の協力を得て、売却を行うことが普通です。理屈の上では、持分だけを売却することも可能ですが、本件のような不動産の場合、娘さんの持分を取得できない場合は、この土地及び建物を購入しようと考える人は、ほとんどいないと思います。

そこで私が事件を受任した後、この娘さんとも話をしましたが、やはり売却について前向きに協力してくれる回答はいただけませんでした。このような状況で、不動産業者さんに売却の話を進めてもらうことはやはりできませんので、娘さんの建物の持分5分の1を依頼者が取得する方法で手続を検討しました。娘さんには、その持分5分の1に相当する代金を支払うので、持分を依頼された方の名義に移転することのお願いもしましたが、それに対する協力も拒否をされました。

このような場合に想定される手続が共有物分割請求という手続です。裁判所に裁判を申し立て、この不動産を競売手続に付してもらう判決を裁判所に求めたり(大雑把に言いますと、この場合競売代金は、持分の割合によって配当されることになります)、相手方に相当な代金を支払うことと引き換えに相手方の持分名義を依頼された方に移転するように命じる判決を裁判所に求めたりする手続になります。

本件については、依頼された方が、娘さんの名義を代金相当額で自らが取得した後に、不動産業者に仲介を依頼して、売却をしたいとのお考えでしたので、その方向で裁判を申し立てました。

4. 結果(判決)

裁判の中では、娘さんの持分が価値としてどの程度の金額であるのか、というような点が問題になります。この金額の評価については、場合によっては、不動産鑑定士の鑑定手続を行う場合もありますが、本件については、そのような手続まですることなく、依頼された方が娘さんに100万円を支払うことで、娘さんの建物に関する持分5分の1の名義を取得するという判決を得ることができました。但し全ての手続きにおいて、相手方は非協力的でしたので、判決が出た後も前記100万円についても、娘さんの方で受け取って頂けませんでした。そのため法務局に100万円を供託して、その上で、無事建物についての、娘さん名義の5分の1の持分を依頼者の方の名義に移転することができました。

5. 担当弁護士からのコメント

通常は不動産などを共有している場合、その共有者相互間は、親族であることが多く、その場合は利害も共通しているので、前述したような手続を行わなくとも双方が協力して売却等の手続を行うことが多いと思います。

しかし共有者相互の関係が悪化した場合、協力関係を維持することは困難となりますので、場合によっては、前述したように裁判所に判決を出してもらって、共有関係の解消をしなければならない事態も生じてきます。

共有関係にある不動産などについて、なかなか共有者相互間で足並みが揃わない場合には、前述したような手続によって、事態を好転させることもできる場合があることを知って頂ければと思います。例えば、遺産分割協議などで、相続人間で争った後、不動産が共有名義になってしまったような場合でも、前述した共有物分割請求の手続きを経ることによって解消することも可能です。



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