お悩み解決事例:2000万円以上の相続財産が特別縁故者に認められた

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概要

ご依頼者静岡県中部地域にお住いの40代の男性
担当家本誠 弁護士
特徴D被相続人は身寄りがなく、御依頼者が被相続人の生前、同人や同人の両親の面倒を見ていたことが認められ、2000万円以上の相続財産が特別縁故者である御依頼者に認められたケース。

解決までの流れ

1. 事案の概要

被相続人は、病気により40代で亡くなられました。同人には両親がいましたが、既に他界し、妻子や兄妹姉妹などの相続人も一切いませんでした。もともと病気がちで体が弱かった被相続人に代わって、御依頼者が被相続人の両親の面倒やその葬儀なども中心となって執り行ってきました。

被相続人の両親が亡くなられた後、被相続人自身、もともと抱えていた持病の悪化により入退院を繰り返すようになりました。そのような入通院生活の中で、生活に不安を感じた被相続人に対して、御依頼者は公的な援助を受けられるように各種行政手続きを行ったり、また入通院については、必要な付き添い、看病などを行ってきました。

数年の闘病生活をした後、被相続の体調が急激に悪化したため、被相続人と御依頼者とが相談し、公正証書の作成をすることを決めましたが、その手続きをする時間的な余裕もなく、被相続人が亡くなられました。

ちなみに特別縁故者の制度は、相続人がいなかったり、その存否が不明の場合に、被相続人と生計をともにしていた者、その療養看護に努めた者、その他被相続人と特別の縁故があったと認められるような者などに、家庭裁判所が相当と認める場合に、相続財産から負債などを支払った後、残った相続財産の全部又は一部を与えるという判断をすることを言います。

2. ご依頼

御依頼された方は、事実上、被相続人の相続財産を管理していたため、相続人がいない本件で、どのように手続きを進めたら良いのか、全く分からないと不安を抱えて相談に来られました。御依頼者自身は、特段相続財産を自分が取得するという御意向は強くなかったのですが、話を良く聞いていくと、そもそも被相続人自身が、自分の財産を御依頼者に相続させたいと考えていたことが十分に推測できるケースと思われました。そのため相続財産を放置したり、国庫に帰属させたりするのではなく、むしろ御依頼者がその相続財産を取得することが、被相続人の御意向に沿うのではないかと考え、手続を進めることとしました。

3. 相続財産管理人の選任申立手続きについて

相続人がいなかったり、その存否が明らかでない場合、または相続人がいても、その相続人が相続を望まず、相続人全員が相続放棄をしたため、結果として相続する者がいなくなった場合などには、家庭裁判所は、申立てにより、相続財産の管理人を選任し、相続財産をどのようにするのか、手続きを進めることになります。

相続財産管理人は、被相続人の債権者や負債額等を調べたりして、被相続人の負債を支払うなどします。このような負債を支払った後でも財産が残るような場合には、その財産は国に帰属させることになります。また前述したように、特別縁故者に対して、裁判所の判断に基づき相続財産の全部又は一部を与えるという手続をすることもできます。

御依頼者と相談をして、前述したように被相続人の生前の御意向を考え、相続財産管理人の選任を裁判所に申し立てるとともに、前述した特別縁故者に対する財産分与を求めていく手続きを行いました。

4. 結果

裁判所は特別縁故者である御依頼者に対する相続財産分与の手続きで、相続財産を全て御依頼者に分与するのが相当であると判断をしてくれました。その結果、2000万円以上の預貯金等と一部不動産を御依頼者の方が取得する結果となりました。

御依頼者の方は、被相続人の御意向に適うように受け取った預金等を使っていきたいと言われ、御依頼者にとっては満足な結果になったものと考えています。

5. 担当弁護士からのコメント

被相続人と御依頼者とは強い信頼関係で結ばれていたことが充分に理解でき、その思いも事件に携わる中で伝わってきました。お互いに謙虚で遠慮がちであったのか、相続財産について、事前にしっかりと話や手続き(例えば公正証書遺言など)が行われていれば、もっと円滑に手続きが進んだと思います。

しかし多分お互いの中で、亡くなった時に備え、その財産の話をするということに、大きな抵抗があったとともに、そのような事態にはなって欲しくないという強い思いがあったため、相続財産について、具体的な手続きを事前に進めるということを避けていたのではないかと思われました。

このようなことが、色々な資料から読み取ることができたため、相続財産については、御依頼者が取得し、被相続人の御意向に沿って大事に使われることが一番望ましいと考えた次第です。

裁判所に特別縁故者に対する相続財産の分与を認めてもらうためには、被相続人と特別縁故者とが具体的にどのような付き合いをしてきたのか、できるだけ詳細に理解をしてもらう必要があります。例えば日記などによりそれらを裏付けることができるのであれば、望ましいと思います。また写真などにより、その交流を裏付けることができる場合もあるかもしれません。

本件においては、御依頼者が、几帳面な性格の方で、被相続人とどのような交流があったのか、またどのようなことの相談に応じ、どのようなアドバイスをしたり、どのように手続きを進めたのか、それらの事情が詳しく日記に長年まとめられて記載されていました。そのため特別縁故者に対する財産分与を主張する際、これらの日記を引用し、二人の関係性をできるだけ詳細に裁判所に書面で提出しました。

さらには、被相続人が亡くなられた後も、被相続人の葬儀、埋葬等の手続きなど色々な負担を御依頼者が行ったり、また被相続人の不動産の管理や自宅の定期的な掃除なども行うなど、そのような点についても、裁判所に報告をしました。

これらの事情を詳しく説明したことが、裁判所には伝わり、2000万円以上の相続財産の全てを御依頼者が取得する結果になったと思います。

特別縁故者という言葉は、あまり聞かれることがない言葉ですが、今まで述べてきたような場合に遭遇した際には、どのように手続きを進めれば良いのか、その方向性や重点になどについて、詳しくは当事務所弁護士にご相談ください。




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