お悩み解決事例:退職者から未払残業代の請求を受け、交渉で解決した事件
概要
ご依頼者 | 40代の女性 |
特徴 | 退職者から未払残業代の請求を受け、交渉で解決した事件 |
解決までの流れ
1. 事案の概要
深夜に営業する個人事業を営んでいた女性が、退職した従業員から未払残業代や慰謝料(業務中に従業員を叱った際、手を出してしまったようでした)を請求された事件です。
2. 手続の流れ
相手方が弁護士を通じて請求を行ってきたため、御依頼者は当事務所に相談に来ました。裁判を起こされる前に解決して欲しいとの御希望だったので、交渉事件として受任しました。
相手方に受任通知を送り、相手方弁護士に未払残業代の算出表を提示してもらいました。手元の証拠と照らし合わせると、確かに、残業時や深夜労働時に発生する割増分の賃金が未払となっていました。他方で、実質的に休憩時間にあたる時間分も請求されている部分があり、また慰謝料も相場より高いものでした。
未払残業代については、上記のような実態や御依頼者の支払能力を踏まえ、交渉を重ねて請求額の8割以内に減額しました。また、慰謝料については、仮に刑事事件になった際に課される罰金相当額まで減額しました(請求された慰謝料の半額で済みました)。その上で、支払は1年以上の分割払としてもらいました。
経営者側に一定の知識がないと、このように意図せぬ形で未払残業代を請求されることがあります。裁判にまで発展してしまうと、双方にとって、精神的にも金銭的にも大きな負担となります。弁護士が交渉でまとめることができれば、こういった負担を負わずに裁判に近い適切な結果を得られます。今回は、交渉でまとめることができましたが、労務管理の大切さを実感した事件でした。