答弁書の書き方
ここでは、答弁書の書き方について説明しています。
答弁書の書き方
① 住所・氏名
郵便番号や部屋番号も含め、正確に書きましょう。
会社が訴えられている場合は、「○○株式会社 代表者代表取締役△△□□」と書くようにしましょう。
注意点は、(株)や(有)といった略称を使わないことと、「代表者代表取締役」と書くことです。
② 送達場所
自分の自宅に裁判所の書類を送付してほしくないときは、ここに記載すると自宅の代わりにその指定場所に送付してくれます。ただし、自分と全く関係のない場所は書くことができません。
③ 答弁
ここが、この書類のメインとなる部分です。回答方法は以下の3種類です。
1. 原告の話を認める
2. 原告の話は認めない
3. 原告の話は知らない
ここを書く前に、まず届いた訴状をじっくり読みましょう。そのうえで回答します。ここでは、細かく回答することができますし、そのほうがよりよい答弁とされています。
例えば、「2021年2月14日、原告は被告に対し、高級チョコレートを手渡した。」という主張の場合、被告であるあなたの認識は「確かに原告からチョコレートをもらったが、その日付かどうかは覚えていないし、貰ったとしても決して高級な品物ではなかった」とします。
その場合は、「原告からチョコレートをもらったことは認める。その日付は知らない(覚えていない)。チョコレートが高級であったことは違う。」と分解して答弁することができます。
裁判所から届いた用紙の記入欄が狭い場合は、別紙に書くこともできます。
ここで、「認める。」とした場合、後で「やっぱり認めない。」と変更することは基本的にはできません。ですので、「認める。」とする部分は、確実に間違っていない事項だけにしてください。少しでも不安であれば「違う」、「知らない」と書いておいた方が賢明です。
仮に事実は借りていなかったにもかかわらず「原告は被告に100万円を貸した」ことを認めてしまうと、裁判では借りたことになってしまいますので、十分にご注意ください。
答弁書を書く際は、当事務所に相談または依頼いただくとミスなく提出できます。
④ 言い分
ここでは、「確かに原告の言っていることは正しい部分があるが、自分にも反論したいことがある」ことを記載します。
例えば、上記のチョコレートの例ですと、「確かに原告からチョコレートは貰ったが、貰った次の日に送り返した」といったようなことです。
これを法律用語では「抗弁」と言います。
また、原告と和解をしたい場合もここにどのような案であれば和解できるのか書くことができます。
以上書けましたら、書いた紙を2部コピーして、原本を裁判所に、写しを原告または原告代理人に送付しなければいけません。裁判所の住所は同封の封筒や書類に、原告や原告代理人の住所は訴状に書いてあります。代理人がいる場合は代理人の住所へ、いない場合は原告本人の住所に送ってください。残りの1部は自分用に保管してください。
もし、期限までに答弁書を提出しなかった場合、原告の話が100パーセント信用されてしまいます。あなたが100万円を借りた覚えがなくても、原告が借りたと書いてあれば借りたことになってしまうのです。
答弁書は書き方や提出の仕方が難しいこともございますので、少しでも不安であれば、決して自分だけで書くのではなく、当事務所の弁護士にご相談ください。